4-5年生の選択科目「文化交流史」は、モノの作られ方・使われ方からその背景にある人の交流や技術の伝播を学んでいます。
今回は東京にある紅ミュージアムの学芸員 八木原美佳さんにオンラインで紅について教えていただき、筆記用の紅を用いてお守りづくりの体験をしました。
紅ミュージアムは、江戸時代から200年続き、いまは伝統的な製法で紅を生産する最後の紅屋となった伊勢半本店の運営する企業博物館です。
前半の講義では、紅花からつくられた紅は、化粧用以外にも用いられていること、赤という色の持つパワーやそこにこめられた人間の思い、魔除けとしての紅について学びました。
WebClassのチャット機能で質問を共有し、八木原さんには丁寧にご回答いただきました。
授業の後半では、紅の持つ力を体験するお守りづくりを行いました。
純度の高い紅の色は、時間が経つと赤から玉虫色に変化します。黒い板紙に紅をつけた筆で自分の名前を丹念に書き、薄葉紙で包み、赤い紙ひもを結んで完成です。
玉虫色になった文字を見て、講義で聴いたことを自分で確かめることができ、嬉しそうな声が上がりました。
花の中にあるたった1%の赤色色素を取り出すために酸塩基反応が用いられていることに気づいたり、紅づくりを後世に残していくために現代の技術が活用できないかと考えたり、高専学生として学んできたことを授業内容に結びつけて考える感想が多くありました。
テクノロジーは未来に向かって進歩していきますが、その背景には今まで人が培ってきた知恵や技術があります。伝統的なモノづくりの一端にふれることで、学生たちの視野が広がる時間となりました。
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